TUMOR腫瘍
腫瘍には「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」があります。
腫瘍とは、体内の細胞や組織が異常に増殖してできるかたまりのことをいいます。
良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられ、悪性腫瘍は早いスピードで増殖し、浸潤(周りの正常組織を破壊しながら広がっていく)や転移するという特徴があります。一般的に「癌」と呼ばれるものは悪性腫瘍に分類されます。
咽頭癌・喉頭癌
のどに発生する癌として咽頭癌と喉頭癌があります。それぞれの名前の通り、咽頭癌は咽頭(鼻の奥から口の奥、食道の手前までの部分)に発生する癌です。喉頭癌は喉頭(咽頭より下の喉仏のあたり)に発生する癌です。50〜60歳の男性に多く見られる癌で、その他にも長年の飲酒や喫煙歴がある方も発症しやすくなります。声のかすれ、のどの違和感や異物感、首のしこり、鼻・耳の閉塞感、扁桃の腫れなどの症状が見られます。
- 治療方法
- 癌の治療はその病気の段階によって、手術や抗癌剤や放射線治療から組み合わせて行います。病変が小さい程根治しやすく、治療による体への負担も軽くなるため、病変が小さいうちに見つけることが重要となってきます。当院ではNBIに対応した内視鏡を導入して早期発見に努めており、必要に応じて専門の医療機関に紹介をさせていただきます。
NBI内視鏡検査
NBIという特殊な画像モードにより内視鏡検査を行うことで、従来の検査よりも早期に癌を発見することができます。
- 低くガラガラした声が出る
- 食べ物や飲み物を飲み込んだ時にのどに痛みがある
- 風邪をひいていないのに首が腫れている
- 長年の飲酒、喫煙歴がある など
このような場合は、早期に内視鏡検査を受けられることをお勧めします。
甲状腺腫瘍・唾液腺腫瘍
甲状腺は喉仏の下あたりにあり、体の新陳代謝を促す働きのあるホルモンを分泌しています。この部分にできる腫瘍を甲状腺腫瘍といいます。初期の頃にはほとんど自覚症状がありませんが、腫瘍が大きくなると首の腫れやしこりに気づいたり、飲み込みにくさや圧迫感を感じることもあります。
唾液腺には耳の下にある耳下腺、顎の下にある顎下腺、舌の下にある舌下腺などがあり、唾液を分泌しています。これらにできるしこりを唾液腺腫瘍といい、良性腫瘍の場合にはしこりを触れる以外にあまり自覚症状はありません。しこりの周囲にしびれや痛みを感じたり、顔面麻痺が出た場合には悪性腫瘍の可能性がありますので、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
- 治療方法
- 甲状腺腫瘍で良性の場合は、エコーで定期的に経過観察します。腫瘍が大きくなり気道を圧迫したり、悪性腫瘍が疑われる場合には細胞診検査や手術などの治療が必要となります。
唾液腺腫瘍の場合は、良性でも悪性でも基本的に摘出手術を行います。症状がなくても、将来的に腫瘍が大きくなると摘出困難となったり、顔面麻痺などの手術合併症のリスクも高くなるため、高齢で手術が受けられないなどの特別な事情がない限り、手術による摘出が行われます。
甲状腺・唾液腺エコー検査
甲状腺腫瘍や唾液腺腫瘍はまずエコー検査で評価します。腫瘍の大きさや位置や性状を観察し、細胞診検査が必要か判断したり、腫瘍の経過観察を行っています。精密検査や手術が必要な場合には専門の医療機関に紹介させていただきます。